記事:Bloomberg, 2021/3/4, ” Siemens Accuses GE of Exaggerating Trade-Secret Theft Claims”
記事によると、ドイツの Siemens Energy は、機密情報を盗用したとして同社を訴えた GE に対し、法廷で争う姿勢を見せている。
GE は1月、 Siemens Energy が GE のガスタービンに関する機密情報を盗用して少なくとも9件のガスタービン契約を不当に落札したとして同社を提訴。その規模は数十億ドルに上ると主張している。また、 Siemens Energy の社員が入札手続きで得た情報を同僚に共有し、うち数人が2019年の米バージニア州のプロジェクトの入札内容を変更したとしている。
これに対し Siemens Energy は、バージニア州のプロジェクトは昨年中止されたことから、 GE は損害を受けておらず、ガスタービン市場の競争相手を不利に追い込む戦術だと述べている。
Siemens Energy は、機密情報について明らかになった後は、解雇などの懲戒処分を行い、情報を削除した上で、発注元とGEに自主的に報告したと述べている
機密情報は一つのプロジェクトに限られたものであるにもかかわらず、 GE は公開された情報も含めて盗用疑惑を拡大していると主張している。
GE は Siemens Energy の特定の社員をベルギーとイタリア、米サウスカロライナ州の入札に参加させないよう訴訟を起こしており、 Siemens Energy は3月24日までに正式な回答を提出する予定である。
考察
記事にもあるように、ガスタービン市場は再生可能エネルギー市場拡大に伴い、厳しくなってきています。 GE はこの市場トップであり、OM等においても稼ぎ頭になっています。
風力発電は2030年には10兆円規模の市場となるとなっていますが、この市場においても、 Siemens と GE はしのぎを削っています。
よって、双方でこうした争いは今後も生じる可能性も高いですが、風力発電に関しては、中国勢が力を付けてきており、欧米勢が互いを争うことは、第三勢力に好機を与えることにはならないかと心配しています。