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カーボンニュートラルに向けて 水素エネルギー転換には、2050年までに1,5兆ドルの投資が必要

記事:Roeuter, 2021/4/27, “ trillion global hydrogen investment needed to 2050-research”

ロイターの記事によりますと、水素を利用してエネルギーやその他の産業を世界的に脱炭素化するには、今から2050年の間に、15兆ドルの投資が必要になると、Energy Transitions Commission (“ETC”) は火曜日の報告書で述べた。

ETCは、パリの気候協定によって設定された目標である世紀半ばまでに正味ゼロエミッションを達成することにコミットしているエネルギー業界の幹部の国際連合である。

再生可能エネルギーを利用して、電気分解によってつくるグリーン水素は、多くの政府によって支持されていますが、自動車やエネルギープラントに供給をかんがえているものの、非常にコストが高く、普及が難しい状況にある。こうした動きを指示する人々は、インフラ投資や輸送・ガス供給・産業から期待される需要によりコストは下がると主張している。

ETCは、「世紀半ばまでにゼロエミッションという世界的に合意された目標を達成するためには、クリーンパワーはすべてのセクターを脱炭素化の中心に置かねばならず、水素は鉄鋼や輸送などの脱炭素産業において重要な役割を果たす」と述べた。

水素の使用量は、現在の1億1,500万トンから、最終エネルギー需要全体の15~20%を占め、世紀半ばまでに年間5億~8億トンに増加すると予測されている。

グリーン水素の生産には、ゼロカーボンの電気が脱炭素に必要な90,000TWh(90兆kWh)が必要なうえ、2050年まで30,000TWhが必要であると、ETCは述べた。

これには約15兆ドル(1,500兆円)の投資が必要で、2030年代後半に年間約8,000億ドル(80兆円)とピークを迎える。これは水素生産のためだけでなく、電力システムが大量の水素利用に対応できるようにするためにも必要である。必要な投資の約85%は発電、15%は電気分解機、水素製造施設、輸送・貯蔵インフラである。

圧縮水素容器の容量が限られ、コストが大きいため、水素製造には大規模な地質貯蔵が必要となる。

岩塩ドームは最もコストが低くなるが、仮に2050年の年間水素使用量の5%を貯蔵する必要がある場合でも、現在の天然ガスに使用されているのはわずか約100に比べて、約4,000もの岩塩ドームが必要となる、と報告書は述べた。

考察

ETCのホームページにおいて、2つのレポートが発行されています。一つは水素エネルギーの製造と利用に関する報告書、もう一つは 再エネ 電源によるエネルギー転換に関する報告書になります。

この記事にもあるように、エネルギーの転換には多大な費用がかかることは明確であり、政府及び民間の協力が不可欠です。更に、十分に商用化されていない技術も前提とされていることから、これらの技術の開発も必要となります。

日本において 再エネ の電力によって製造する水素エネルギー、グリーン水素 は、日本で製造するのは難しく、中東やオーストラリアなどの国からの輸入が主体となるものと予測されます。その場合であっても、輸送船、貯蔵設備が必要で、LNG以上に難しいと考えられます。この記事の最後に述べられています貯蔵設備は、地質によって実施可能かどうかが決まり、日本の場合はこうした地層が見られないため、貯蔵設備技術の開発も必要となってきます。

再エネ 電源確保がポイント、グリーン水素、2030年にはブルー水素より低コストに再エネ の電気分解によりつくられる水素 グリーン水素 。その価格が、化石燃料の途中生成でできる ブルー水素 の値段よりも2030年で安くなるだろうと予測している記事です。...

上記のように、カーボンニュートラルを達成するために、水素エネルギーの利用は一つの可能性であるものの、日本にとっては相当ハードルが高いため、そうした技術が実施可能になるまでを、どのようにつないでいくか、またそうした技術をどのように開発していくかが問われることになります。

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Paddyfield
土木技術者として、20年以上国内外において、再エネ 事業に携わる。プロジェクトファイナンス 全般に関与、事業可能性調査 などで プロジェクトマネージャー として従事。 疑問や質問があれば、問い合わせフォームで連絡ください。共通の答えが必要な場合は、ブログ記事で取り上げたいと思います。 ブログを構築中につき、適宜、文章の見直し、リンクの更新等を行い、最終的には、皆さんの業務に役立つデータベースを構築していきます。 技術士(建設:土質基礎・河川、総合監理)、土木一級施工管理技士、PMP、簿記、英検1級など