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記事:Renewable Energy World, “The grid needs T to support full decarbonization”
記事によると、BloombergNEFが発行したnew Power Grid Long-Term Outlook 2021において、新たな電力システムを支えるには、2050年までに世界の電力網に対して1400兆円(14 trillion USD)の投資が必要であると報告している。
電気による暖房や移動手段へ移行するには、電気需要が増加するものと考えられ、一方で、風力や太陽光発電の増加により、電力網に追加の負荷がかかる。十分な投資がない場合、電力網が制約となり、その進展を遅らせることになる。
重要なポイントは以下の通りである。
- 2020年において、電力網に対し、23兆5000億円(235 Billion USD)の投資がなされたが、2050年には、63兆6000億円(636 Billion USD)の投資が、増加する発電容量、新たな電力需要、既存設備の取り換えに必要である。
- 今後数十年、配電網がより重要となる。というのも、新たに増加する発電所の多くは、より小さく、また需要地に近くなり、配電網に直接接続することが想定されるためである。
- センサーや自動化への投資により、効率や信頼性があがり、運転及び資本費用が低下する。
- 移動手段、暖房及び冷房の電化の動きが、200兆円(2 trillion USD)の資金を必要とし、2050年までに全投資額の14%に達する。ユーティリティー企業は、電気消費の増加や新たな顧客、例えばチャージステーションへの接続に対応するために、既存の接続設備の増強が必要である。
- 需要の成長速度はおちていくものの、中国は、2020年から2050年にかけて世界におけるもっとも大きな送配電網市場である。今後30年において、世界の全必要投資額のうち、1/5にあたる290兆円(2.9 trillion USD)が中国で求められる。
- 現在、送電網の投資市場として、世界第2位であるアメリカは、再エネへの切り替えが比較的おそいため、ヨーロッパの後塵を拝することになる。2043年までに、年間の投資額は、現在の2倍にあたる10兆円(100 billion USD)を超える。しかしながら、当たらな大統領の方針により、カーボンフリーな政策にもどり、より野心的な投資へのきっかけになるかもしれない。
考察
テキサスの停電の原因は、火力発電所が運転できなかったこと、そうした対応への備えへの投資ができなかったことであったが、同時に、再エネ率が高いにも関わらず、送電網への投資不足も指摘されている。ERCOTは、他の送電網から独立しているという制度的な問題があるが、これを解決するには、相当な投資が必要であるとの指摘もあった。
テキサス停電の原因と結果に関する考察アメリカ・テキサス州で起こった停電に関する概要的な考察記事。...
よって、今後これをきっかけに、送電網に対する投資に関する議論もなされると考えられる。それに伴って、送電網に関係する企業の株価も上昇していくのではないか。
クリーンエネルギー移行に伴い電力ケーブル産業が急成長再エネの導入に伴い必要となる送電も強化のために、関連産業の株価が軒並み上昇。...