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パリ協定実現に向け、欧州、さらなる風力発電開発が必要

記事:Wind Europe.com “Wind is not growing fast enough for EU economy to go climate-neutral”

記事によると、ヨーロッパでは2020年において、風力発電14.7GWが開発され、うち80%が陸上風力であった。現時点で風力発電は220GWが開発されているが、2030年のパリ協定で定めた目標、排出量を55%削減するには、毎年27GWの開発が必要となる。

風力発電の業界団体ウインドヨーロッパは25日、欧州における2020年の消費電力量に風力発電が占める割合は16%だったと明らかにした。国別に見ると、風力発電の導入が最も進んでいるのはデンマークで、20年は国内の消費電力量の48%を風力発電で賄った。これにアイルランド(38%)、ドイツと英国(共に27%)、ポルトガル(25%)、スペイン(22%)が続く。一方、スイスとスロベニア、スロバキア(いずれもゼロ%)やチェコ(1%)、ハンガリーとラトビア(共に2%)では取り組みの遅れが目立った。

欧州連合(EU)は50年までにこの割合を50%に引き上げる目標を掲げているが、昨年は新型コロナウイルスのパンデミック(世界的流行)による影響で、新設容量が伸び悩んだ。

20年の風力発電施設の新規設置容量をみると、欧州全体で14.7ギガワットであり、COVID前で期待されていた開発量より19%少なかった。EU加盟27カ国に限ると、新設容量は10.5ギガワットだった。国別で最多となったのはオランダで2GW相当を新設。ノルウェーやドイツ、スペイン、フランスが僅差で続いた。
なお、欧州で向こう5年間に新設が予定される風力発電施設の容量は、合わせて105ギガワットとなる見込み。最多は英国の18ギガワット。ドイツ(16ギガワット)、フランス(12ギガワット)、スウェーデン(7ギガワット)、オランダ(6ギガワット)でも新設が進む見通しだ。

開発を進めるにあたっての最も問題になっているのは、許可手続きである。許可手続きは非常に複雑で、すべてのレベルにおいて政府機関では十分な人員を確保しておらず、許可申請の処理ができていない。この結果、新規プロジェクトの許可を得るのに時間がかかり、許可決定に関して司法手続きがなされており、関連するリスクやコストの理由から開発者がプロジェクトを進めるのを遅らせている。

考察

現在欧州では、風力発電が220GW、つまり22,000万KWが開発されており、これは日本の全電源容量の2/3にあたる(下記表)。しかしながら、欧州全体であれば全体の16%にしか当たらない。

日本が期待する再エネは風力発電であるが、実行可能とされている容量が45GW、つまり4,500万KWとしかなく、こうした比較を考えても、カーボンニュートラル実現を多くを再エネだけに頼るのは非常に難しい。

表 日本の設備容量 1)

1)電力広域的運営推進機関

このことから、既存設備を有効に使い、原子力発電、火力燃料を水素エネルギーに変えるなど、現実的な電源構成の指向と、政府の後押しが不可欠と考える。

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Paddyfield
土木技術者として、20年以上国内外において、再エネ 事業に携わる。プロジェクトファイナンス 全般に関与、事業可能性調査 などで プロジェクトマネージャー として従事。 疑問や質問があれば、問い合わせフォームで連絡ください。共通の答えが必要な場合は、ブログ記事で取り上げたいと思います。 ブログを構築中につき、適宜、文章の見直し、リンクの更新等を行い、最終的には、皆さんの業務に役立つデータベースを構築していきます。 技術士(建設:土質基礎・河川、総合監理)、土木一級施工管理技士、PMP、簿記、英検1級など