記事:Businesswire 2021/3/18 “Annual Shareholders’ Meeting of May 28, 2021: The Board of Directors of Total takes the Initiative to Submit a Resolution on the Energy Transition of TotalEnergies towards Carbon Neutrality”
記事によると、仏石油大手 トタル は3月18日、今年5月28日にテレビ会議形式で開催される 株主総会 において、気候に関する決議を提案し、採決にかけると発表した。持続可能な開発およびエネルギー移行についてのグループ戦略の是非を 株主 に問う。
主な決議としては以下の通り:
1) TotalEnergies としての カーボンニュートラル に向けたエネルギー転換
2020年5月で示されたように、取締役会は、 トタル の会社形態が 総合エネルギー会社 に移行すること、エネルギー転換を進めること、 ネットゼロ に向けた気候変動に関する目標を支持する決定をおこなっている。
- 2021年の2月9日に述べたように、取締役会は、 TotalEnergies SE に会社名を変更することによって、この転換を会社約款に結び付けることを株主に提案する。
- 取締役会は、ネットゼロ に向けた 再エネ 開発及び エネルギー転換 、2030年の目標に関して、意見表明(Advisory Vote)に関する議題を提出することにしている。この議題は、世界の投資家による 気候イニシアチブ100+ における共同表明、 トタル が2020年9月及び2021年2月に表明した目標と戦略、及び TotalEnergies に関する取締役会の作業部会に基づくものである。取締役会は、T otalEnergies 社の目標に掲げた ネットゼロ への転換に関する戦略について、株主が意見する機会を設ける。
- 今回の排出削減に関する新しい基準を、会長、CEO、全ての上席執行役の成果報酬に連動するように導入し、今後、その割合を増やしていく。
2) 2021年8月の株主総会の開催
2021年6月1日まで、COVID19の感染の広がりによる緊急事態宣言及び株主総会に関する例外対応を鑑み、株主総会は、物理的な出席をなく、実施する予定で、WEBで行う。当日、口頭での議論ができないため、開催4日前からプラットフォームでの意見徴収を行う。取締役会は、2021年5月28日の株主総会で提出される文書類を承認しており、それらは、WEBサイトで手に入れることができ、会社がさらされているリスクに関して記載する。
3) 会社のガバナンス
トタル の倫理員会は、 プヤネ CEO を含む執行役員及び取締役員の新たな3年の任期(2024年まで)を株主に提案する。
4) 取締役員報酬
考察
石油会社 である トタル においても、 カーボンニュートラル に関するコミットメントを強く、株主から求められており、その会社形態を変えていかざるを得ません。
トタル に関しては、昨年5月に開かれた株主総会において、11の株主が パリ協定 遵守を求める内容の決議を提案しましたが、これは否決されました。今回は上記の通り、 トタル が自ら気候戦略に関する提案を行うことになりますが、その内容改善に向け一部の株主と検討作業を行っています。これに対して 環境NGO は、 トタル の提案は グリーンウォッシング の試みであると批判しています。
しかし、過去のインタビューで トタル 現CEOが述べているように、投資の源泉は、 化石ビジネス であり、如何に、建前と本音のバランスをとっていくかということになりそうです。
株主と共同作業を行い議決案を提案するという点においても、 トタル がもうけられなければ、配当できないわけであり、そのため、自社の判断としてだけではなく、株主を巻き込む戦略にしているのではないでしょうか。