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記事:Financial Times 22/2/2021 Cable makers wired into clean energy boom
記事によると、クリーンエネルギーへの移行が進む中、電力ケーブルの製造・敷設産業が急成長分野として注目されている。欧州や米国が進めるクリーンエネルギー政策を背景に洋上風力発電が拡大し、海底高圧線などの需要増大が見込まれる。
ケーブル敷設の中でも、洋上風力発電と変電所、陸地と結ぶ海底ケーブルや海底インターコネクターは、特に規模が大きく利益率が高い。市場規模は洋上風力発電のケーブルだけでも、欧州と米国で2019年の15億ユーロが35年には約59億ユーロに拡大すると予想されている。
こうした期待を受け、業界大手の株価は軒並み上昇している。電線・通信ケーブルで世界最大手の伊プリズミアン(Prysmian)・グループ、仏電力ケーブル大手ネクサンス(Nexans)、デンマークのNKTの大手3社の株価は、昨年3月に比べて2倍以上に上昇。
考察
電源に偏りがちな電源供給ネットワークですが、再エネ導入は、こうしたケーブルコスト、また電源の信頼性(制御の可否、燃料調達・貯蔵の状況など)を踏まえないと、結局、電力供給システムの信頼性が落ちてしまいます。
日本でも、洋上風力が再エネの切り札とされていますが、一方で、その送電コストを誰が担うのか、事業者では非常に難しいと考えます。
先の福島で実施した浮体式洋上風力発電実証実験は、深い海が多い日本にとっては重要であるものの、送電コストが50万円/KWとなり、かなり高額な結果となっております。
政府としてもこの点は後押しすると表明してますが、単に国内のグリットに接続するまでの費用だけではなく、ネットワーク全体を強化するための費用の創出にも力を入れてほしいと思います。