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アメリカ 気候変動 に関する サミット カーボンニュートラル に向けて アメリカや日本など各国が CO2 削減 を宣言

記事:AP, 2021/4/23, “World leaders pledge climate cooperation despite other rifts” – 気候変動 に如何に対応するのか

記事によると、 アメリカが 気候変動 との闘いへに復帰することを表明したライブストリーミングサミットで、ロシアや中国の指導者は、ジョー・バイデン米大統領との争いを一時停戦して、石炭や石油の排出削減に関して国際協力を話し合った。

しかしながら、プーチン氏、習近平氏両名とも、2日間の米国主催サミットの初日(2021年4月22日)に、米国とその同盟国の一部に直ちに従い、化石燃料による汚染の被害を減らす具体的な誓いは行わなかった。しかし、気候変動協定の支持者たちは、指導者たちがヴァーチャルに集まったことで、気候汚染を行っている者たち(つまり、ロシアと中国)が行動を起こす切欠になり、今後10年間の 気候変動 を大幅に減速させるために重要な 、Glasgow で行われる11月の国連会議( COP26 )に際して、重要な役割を果たしてくれるものと期待した。

こうした状況において、「世界全体が”危険の瞬間”だけでなく、”機会の瞬間”に直面している」とバイデンは宣言し、40人の世界の指導者との仮想サミットのためのテレビスタイルのクロムブルーセットから話した(図1)。参加者は、ライブと録画されたコメントがミックスされながら、次々と画面に現れた。

図1 気候変動サミットに集まった世界の首脳がスクリーンに映し出された, 米ホワイトハウス, ロイター

そして、バイデン大統領は、「兆候は紛れもないものであり、その事実は否定できない。不作為によるコストは高まり続けている。」と述べた。

バイデン大統領の新しい米国のコミットメントは、サミットに合わせて発せられ、2030年までにアメリカの化石燃料による排出量を52%削減するというものになるだろう(How come nations’ climate targets don’t compare?)。トランプ大統領は、気候変動の科学をあざ笑い、画期的な2015年のパリ気候協定から米国を脱退させたわけだが、その4年後にコミットするに至った。

そして、バイデン政権は今週、未来の明るいクリーンエネジーによるアメリカのビジョンを示した。そこでは、工場において輸出用の最先端の電池と電気自動車が大量に生産され、送電工が国家電力網を再構築し、チームが放棄された石油やガスリグと炭鉱を解体するという姿が描かれている。

しかし、上院共和党の指導者Mitch McConnell氏は、政権の計画は金がかかるわりに効果がないと一蹴した。更に、「これは非常にワンツーパンチだ。対外政策者の前歯のない要求であり、アメリカ市民にとって非常に痛みを強いるものだ。」とも述べた。

またサミットでは、日本は独自の46%排出削減目標を発表し、韓国は新しい石炭火力発電所の公的資金を停止すると述べ、中国や他の石炭依存国に新しい発電所の建設と資金調達を抑制するよう説得するための重要な一歩となる可能性があると述べた。

更に、カナダのJustin Trudeau首相は、コロナウイルス・パンデミック以降よく使うマルチボックス会議画面で首脳会談の進行をみている首脳の一人で、Trudeau首相は、カナダは化石燃料による汚染の削減を30%から少なくとも40%に引き上げるだろうと述べた。

そうした中で、世界最大の排出国である中国の習氏は、米国に続き、他国の中で最初に演説した。習氏は、米国首脳会議に参加するかさえ水曜日まで不透明であった。それは、領土に関する主張、貿易、その他の問題があったからであったが、習氏は中国が排出削減にアメリカと協力すると述べた。「環境を保護することは、生産性を保護するものであり、環境を向上させることは生産性を向上させることだ。環境問題は生産の問題と同じくらい容易なことだ。」と述べた。

プーチン氏とロシアは、バイデン大統領が敵に対するロシアの攻撃的な動きを「殺人者」と評したことに怒りをあらわにしていたが、プーチン氏は今週、投獄された反体制派の人物Alexei Navalnyの健康状態の悪化をめぐって圧力を受けている。しかしプーチン氏は、 気候変動 に関する発言の中で、これらの紛争について言及しなかった。そして、「ロシアは、重要な課題と同様に 気候変動 に対する効果的な解決策を見つけ出すために、国際協力を強化することに関心を持っている」とプーチン氏は述べた。ロシアは、気候にとっては有害な化石燃料による排出国第4位である。

ドイツのメルケル首相は、トランプ政権後に米国が復帰したことを歓迎する同盟国の一人であった。「米国が戻って来て、 気候変動 に関して私たちと一緒に働くために戻ってきたことを歓迎する。私たちが本当に野心的な目標を達成したいのであれば、世界がアメリカの貢献を必要としていることは間違いない。」と述べた。

考察 – 気候変動 への対応について

2021年11月に COP26 が Glasgow で行われるが、 パリ協定 復帰を決めたアメリカを含めてどういった排出削減目標をさだめるのか、どういった国際ルールを決めるのか、今後も外交が繰り広げられます。ヨーロッパでは、EU タクソノミー の議論がされており、アメリカのケリー気候問題担当大統領特別特使が今年の3月にEUを訪れた際にも本件に関して、アメリカの立場を伝えています

記事”How come nations’ climate targets don’t compare?”にも記載れているが、アメリカは2005年基準で50-52%であり、EUの基準1990年で55%を同じベースにすると、51%となります。一方、Pandemic前からの削減で考えると、アメリカは40%の削減、EUは35%の削減という値となります。つまり、図からわかるように、一番排出量が多かった時からどれだけ減らすかとしているわけです。これは日本においても同じです。日本では、震災直後、火力の焚きましが増えたため、排出量が非常に増えました。そこからの削減として、46%が定められていますが、他国と比べて、極めて少ないことがわかります。

図2 日米欧の削減比較

また カーボンプライシング に関する議論が日本でも始まっています。各国の動きをまとめた環境省の「炭素税・国境調整措置を巡る最近の動向」は参考になるかと思います。その他、2020月10月以降、様々な本も出ているので、そうしたものを参考に記事を見ていくと、全体がつながって見えるようになると思います。

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Paddyfield
土木技術者として、20年以上国内外において、再エネ 事業に携わる。プロジェクトファイナンス 全般に関与、事業可能性調査 などで プロジェクトマネージャー として従事。 疑問や質問があれば、問い合わせフォームで連絡ください。共通の答えが必要な場合は、ブログ記事で取り上げたいと思います。 ブログを構築中につき、適宜、文章の見直し、リンクの更新等を行い、最終的には、皆さんの業務に役立つデータベースを構築していきます。 技術士(建設:土質基礎・河川、総合監理)、土木一級施工管理技士、PMP、簿記、英検1級など