電力関連記事

オーステッド (Ørsted) 2021年上期中間決算

記事:reNEWS.BIZ, 2021/8/12, “Orsted posts H1 earnings increase”

記事によると、 オーステッド は、保有資産のサイトの風速が低かったにも、2021年前期決算結果において営業利益(Operating Profit)の増加を報告した。利息・税・減価償却費前の利益(EBITDA)は、13.1Billion DKK(17.2円/DKKとして、約2,253憶円)となり、前年同期と比較して3.3Billion BKK(約567億円)増加した。

この増加要因は、オランダの洋上風力発電所ボルセレ1&2の50%利権を売却によって得た利益5.4Billion DKK (約929億円) となる。一方 オーステッド の洋上及び陸上風力発電所の収益は、前年同期と比較して300Million DKK(約52億円)減少した。

新たに風力発電所が稼働し発電容量が増えたものの、 オーステッド が有する資産のサイトにおける風速を大幅に低下したため、その増加による影響が相殺された。加えて、予定していた通り、英国において風力発電所が増加したためTNUoS(Transmission Network Use of System、送電線利用料)費用が引き上げられたこと、2020年10月に補助金が終了したためHorns Rev 2の収益が減少したこと、ROC(Rrenewable Obligation Certification)リサイクル価格が下落したことなどがマイナスの影響を与えた。

また既存のパートナーシップの利益は、前年同期と比較して1.8Billion DKK(約310億円)減少した。2020年上半期は、ホーンシー1送電資産に関連する建設契約の収益が高かったのに対し、2021年上半期は、今年初めに発表された一部の洋上風力発電所のケーブル保護システムの問題に関連するパートナーに対する保証提供によって悪影響を受けた(関連記事)。

オーステッド のMads Nipper 最高経営責任者は、「2021年上半期には、複数の重要なマイルストーンを達成し、さまざまな戦略的パートナーシップに従事しながら、良好な運用結果を示すことができた。洋上風力事業では、Ocean Wind 2は、当社のOcean Wind 借地エリアを利用し、ニュージャージー州で1148MWの契約を締結することができた。米国のポートフォリオは、現在4GWを超えている。また、ノルウェー、韓国、スコットランド、日本でも新たな戦略的パートナーシップを結んだ。陸上事業では、太陽光発電と貯蔵施設のPermianエナジーセンターと、テキサス州に位置するこれまでで最大の陸上風力発電所Western Trailの運開を迎えることができた。」と述べた。

考察

オーステッド は、陸上風力 洋上風力 発電所、太陽光 発電所、蓄電設備、バイオマス 熱電併給プラントの開発や建設、運営を手がけ、小売りも行うデンマークの大手電力会社です。 以前に詳しく分析を行っていますが、2021/8/12に上半期の決算が発表されました

オーステッドの風力発電ファーム
デンマーク 洋上風力 大手 オーステッド (Ørsted)とはどんな会社なのか?デンマーク 洋上風力 大手 Orsted ( オーステッド )。売り上げは 電源開発 とそれほど変わらないにも関わらず、その 時価総額 は 電源開発 の10倍。どうしてそのような差が生じるのか。また、オーステッドの事業を考えた場合、現在の株価が妥当なのかについても考察しています。...

表1に主な2020年上半期と2021年の上半期の比較、図1に2021年上半期も主な結果を示します。

DKK Million 2021 2020 %
EBITDA 13,059 9,761 34 %
Profit (loss) for the period 7,142 2,493 186 %
Cash flows from operating activities 11,234 7,769 45 %
Gross investments (18,798) (9,065) 107 %
Divestments 10,560 52 n.a.
Free cash flow 2,996 (1,244) n.a.
Net interest-bearing debt 12,067 22,272 (46 %)
FFO/adjusted net debt 63 % 43 % 20 %
ROCE 13 % 11 % 2 %

図1 主な2021年上半期決算結果

その他、決算の目を引きますのが、発電収入が減少している一方で、開発に伴うサクセスフィーでその落ち込みを取り戻しており、これは単なる発電事業者ではなく、風力発電事業のバリューチェーを全てになっているオーステッドならではの強みと言えそうです。
また今年のEBITDAの目標値が15-16Billion BKK(約2,580-2,750億円)に対して、上記の記事にもでてきます海底ケーブル補償の問題が反映されてないということで、今の時点で目標値はかえないものの、その懸念があることを述べています。一方で投資については、パイプラインの積み上げが増え、2030年までに約50GWの達成を目指しており、年の投資額を32-34Billion DKKから39-41Billion DKKへと引き上げをしています。これらの発表を受けて、オーステッドの株価は2.3%下落したした。ただ株価としては、年始の最高値とはいきませんが、今だ高値を保っており、時価総額も7兆円と高値を保っています。
業績についてはほぼ予定通り、パイプラインは更に積み上げが行われ、将来のキャッシュフローが増加する可能性を示しているということになっています。
今後も オーステッド 動向に注目していきたいと思います。

図2 オーステッド株価
ABOUT ME
Paddyfield
土木技術者として、20年以上国内外において、再エネ 事業に携わる。プロジェクトファイナンス 全般に関与、事業可能性調査 などで プロジェクトマネージャー として従事。 疑問や質問があれば、問い合わせフォームで連絡ください。共通の答えが必要な場合は、ブログ記事で取り上げたいと思います。 ブログを構築中につき、適宜、文章の見直し、リンクの更新等を行い、最終的には、皆さんの業務に役立つデータベースを構築していきます。 技術士(建設:土質基礎・河川、総合監理)、土木一級施工管理技士、PMP、簿記、英検1級など