記事:Renews.BIZ, 2021/5/13, “US renewables industry scores strongest-ever first quarter”
記事によると、アメリカの 再エネ 業界は、2021年第一四半期において、2020年の同時期に比べて40%新たにクリーンエネルギーが追加されたと、調査会社が示した。2020年は、アメリカ国内において 再エネ が最も開発された都市であった。
アメリカクリーンパワー協会( American Clean Power Association, ACP )が2021年5月13日に発表したクリーンパワー四半期市場レポートは、アメリカの開発事業会社が2021年1月から3月の間に2500MWの 風力 、1200MWの 太陽光 、100MWの バッテリー貯蔵 を設置したことを述べている。
報告書によれば、2021年第1四半期には、2019年の同等期間の3倍の 風力 発電が アメリカ の電力網に追加されたことも明らかになった。また、第1四半期の上位5州には、 テキサス 州( 791MW )、 オクラホマ 州( 555MW )、 カリフォルニア 州( 519 MW )、 サウスダコタ 州(462MW)、ノースダコタ州(299 MW)であった。
今週初めには、連邦規制当局は、同国初の商業ベースの 洋上風力 発電所 である最大出力が800 MWであるVineyard 洋上風力発電 プロジェクト に同意した。これは、バイデン・ハリス政権が、この2030年の終わりまでにアメリカで30GWの 洋上風力 の目標としていることに関連している。
ACPの Heather Zichal最高経営責任者( CEO )によると、「これらの数字を一言で表現すれば、”勢い”です。既に、 再エネ 導入を強力に進めていた過去のどの年のペースよりも上回るペースとなっています。」と述べた。更に同氏は、「この傾向は、ワシントンのスマート政策とより方向性が一致すれば成長していくであろう。」とも述べている。
考察
バイデン政権が始まって以降、 パリ協定 に参加の意向を示し、4月22-23日においては気候サミットを開催するなど、アメリカは矢継ぎ早に 再エネ 導入を進めています。
テキサス や カルフォルニア は 再エネ 導入に積極的な州である一方、両州ともに、再エネの導入に伴って安定電源が少なくなり、停電の可能性が高くなっている州でもあります(テキサス州では2021年2月に大停電、カルフォルニア州では2020年8月に輪番停電)。これら両州と同量程度の 再エネ を導入する サウスダコタ 及び オクラホマ も、 再エネ 比率が非常に高い州でもあります。ただし、 両州 とも電力システムの規模は小さく、今回の 再エネ の電源導入は非常にインパクトが大きくなっています(図1)。
アメリカ南部、特にカルフォルニア州では、熱波による停電が懸念されており、同州の電源をカルフォルニア独立システム運用機構が停電の可能性を示唆するレポートを2021年5月12日に発表しています。本件に関する記事についても記載したいと思います。